・どんないじめがあるのか?(いじめには2種類ある)
最近のいじめはSNSやネットの発達によって、陰湿さ狡猾さが増している気がします。
さらに、昔だったら有り得ない言葉のいじめが繰り返されることにより、本人とその家族にまで波及し立ち直れないほどにダメージを負う事があります。
これを繰り返すいじめっ子には、どのように対処したら良いのでしょうか?
まず、いじめには「健全ないじめ」と「不健全ないじめ」が存在することを知っておきましょう。
「健全ないじめ」は、誰もが必ず経験する二人からの付き合いから複数の付き合いになるとき、例えば幼稚園、保育園から小学校にかけて初めての集団生活に必ず起こることです。
二人で遊んでいると、他の子がやってきて間に入ろうとして仲間外れになったり、もう一人の子が仲間外れになったりしたことがありませんか?
そこで、周りの大人などの助言で段々と一緒に遊べるようになり、対等の立場で付き合える関係が築いていけるのです。
一方、「不健全ないじめ」は最初から上下関係ができていて親分子分の関係になり、相手のことなどお構いなしに自分勝手な振る舞いをしてしまうことです。
自分の意思がしっかりしている子ならいいですが、気が弱くはっきり意思表示できない子は、強い子にズルズルと引きずられていき結果的にいじめの対象になってしまいます。
そして、最近の傾向として子どもだけでなく、職場やママ友など、大人の間でのいじめが多発している事と、LINEなどのSNSを利用したいじめが多くなっているという傾向が問題視されています。
・なぜいじめがなくならないのか?
まず、必要なのは「人は人、自分は自分」という確固たるものがないと流されてしまいます。そのためには、無視を決め込むことです。
なぜなら、いじめっ子が「病みつき」になっているのは、相手が必死になって怒ったり、泣いたりする、冷静ではない対応を見て楽しむ事だからです。いじめっ子は、たとえ大人であっても「相手が取り乱すほど充実感を感じる」からなのです。
親から、愛情を注がれて育ってきた子はそのようなことはしません。相手を思いやる気持ちが育まれ、他人をいじめることはしないと考えます。ただ、無視と言っても怖い顔をして自分も相手と同じことをしては元もこうもないので「冷静に対応する」「落ち着きのある」「余裕ある」無視を決め込みましょう。
以上、まとめるといじめには「健全ないじめ」と「不健全ないじめ」の2種類が存在し、前者は人格形成を養う時期に誰もが必ず通る道なのです。後者は人間関係を構築する力がいじめる側もいじめられる側も未熟であり、問題になってくるのです。それがエスカレートしてくると、新聞記事やテレビ報道で出てくる事件性のある最悪のケースに発展するのです。この違いを理解しておかないと、いじめはなくならないと考えます。
そうは言っても、しつこい相手も中にはいますので、そのような相手には「いじめっ子に効く魔法の言葉」を準備します。
・いじめっ子に効く魔法の言葉
この点で重要なのは、1つ1つを覚えるというよりも「2つの段階に分けて考え方をマスターし練習する」ことです。
そうしないと、あなたにまとわりつくいじめっ子に、個別に対応した言葉を返すことができないからです。そして、言われたことを機械のように繰り返すだけの姿勢から、この「考え方」ができるようになると「いじめの状態を第三者の目線でみられる」ようになってきます。
そして、客観的な視点で考える力を身に着けると、悩むだけでなく、いじめを避けていくためにはどうしたらいいか、より良い対処方法に気がつくようになっていきます。
では、2つのいじめの違いに分けて、いじめっ子に効く言葉の考え方を見てみましょう。
◆「特定のところがいじめの対象になる場合」
最初に考えるのは、「チビ」「デブ」「ガリガリ」「ブス」など見た目のいじめや「暗い」「ダサい」「態度がムカつく」など、見た目と言動がいじめっ子の気に障るから、からかいやすいからという「特定のところがいじめの対象になる場合」についてです。
このようないじめは、子供の世界だけではなく、残念ながら会社など大人の世界でも公然と行われています。この段階で、いじめを回避できるとそれ以上の陰湿ないじめにつながらない場合が多いとも言われているのです。
このような場合に、一番避けたいのは、「感情的に否定したり、怒る、泣いたりする」ことです。
当然ですが、誰でも気にしている事を含め指摘されて、そこをいじめられることはショックですし、腹立たしいですよね。
でも、その自然な感情をそのまま出すと、いじめっ子の「いじめたい欲求」を完全に満たしてしまい、さらに「病みつき」にさせてしまいます。本当に困ったことです。
それで、このような、特定のポイントをいじめられる場合に、効果的なのは、「軽く肯定して受け流す」という事が大事になります。
つまり「言われたことが事実と感じなくても、相手にそのように映っていればそれを認める」、「深刻ではなく、前向きな表情と口調で受け止めて、改善方法とかを明るく逆質問する」という姿勢です。
確かに、このような対応をされると、いじめっ子は拍子抜けし、いじめる快感を味わえません。その結果、「こいつをいじめてもつまらない」と感じて、いじめの対象から外れます。
慣れるまでは大変ですが、この考え方をマスターしてください。
それでは実際にどのように使うかをお伝えします。
チビ・デブなど身体的なことをからかわれたら「そうなんだよ、他からもそう言われているからものすごく傷ついているんだ。どうしたら言われなくなるか是非教えてよ。」と、このように一度、相手の意見を受け入れてから反撃する姿勢を見せることが大事になってきます。
◆「存在そのものが否定される場合」
最近非常に増えている、SNSなどに「死ね」「生きている価値がない」「いなくなれ」などの辛辣な言葉や書き込みなどがあります。このような「存在そのものが否定される場合」という深刻ないじめです。
こんなことを言ってくるいじめっ子に効く言葉は何でしょうか?
まず、意識しておきたいのはこの場合前とは全く違う状況、つまり、「認めて軽く受け流す問題ではない!」ということです。
いじめられることが習慣になっている方は、この点が意識できず結果的に「いじめっ子に越えてはならない一線を越えさせられこちら側が耐えられなくなる」という流れになってしまうのです。
そもそも、法治国家で「人間として自尊心を持って生きる権利を、同じ人間に奪われることはあり得ない」のです。そこは、「人間として毅然と反撃しなければならない」ことを、強く意識しておく必要があります。
その上で、このような攻撃をしてくるいじめっ子には、感情的にならず冷静な感じで、「明確に強く反撃する」ようにトレーニングしておきましょう。
例えば、「死ね」・「おまえなんかいなくなれ」など心にグサッと刺さる言葉は、言われた側は本当に落ち込みます。
「それは言われるとショックだよ。あなたのその感情はどこから出てくるの?自分にわかるように説明してくれよ。でないと納得できない。」
もちろん、このように反撃しても相手がすぐに引くわけではない場合もありますが、相手の反応とは無関係に人間として認められている基本的人権を守らなければならない訳なのです。相手から人格を否定されることには断固反撃しないといけないのです。
ですから、この段階では相手の反応などきにすることなく効果的な方法でいじめっ子に効く魔法の言葉をどんどん伝えましょう。
この線引きを明確にしておくと、やがては「あいつはいじめても結果的に面倒くさい」という印象を周囲に与えられる可能性が高くなります。時間はかかるかもしれませんが、このような状態になると環境が変わっても生涯いじめられない雰囲気を作ることができるようになります。
・まとめ(一線を越えてしまう場合)
いじめは、いじめっ子がいじめられっ子に言ってはならない一線を越えてしまう場合に発生します。それは、暴力を振られることはもちろん、直接浴びせる言葉や最近のSNSなど匿名による言葉の暴力も含まれます。
身体的など特定のところがいじめの対象になる場合は、非常に辛いかもしれませんが一度受け入れ、逆になぜそうするのか聞く。
自分の存在そのものを否定されるようなところがいじめの対象になる場合は、感情的にならず冷静に反応し徹底的に否定していく。
いずれにしても、自分ひとりではできないことなので親をはじめ周りの方たちに勇気を持って相談するのが大事だと思います。そういうわたしも、これができなくて不登校や引きこもりになりましたから、長い回り道をしました。
だからこそ、この仕事を選び同じ悩みに苦しんでいる方々に寄り添っているのかもしれない。