新型コロナウィルスの影響で、学校が閉鎖され職場もテレワークの推奨が進む中、日常生活も制限されある意味「引きこもり」の状態になりつつある。
わたしは、中学時代と社会人になってすぐに「引きこもり」を経験した。人の気持ちは、その時々の環境や家庭環境などで揺れ動く。どうして「引きこもり」の状況になるのか、その行動や原因について過去の経験も思い出しながら考えてみた。
まず、根本的な原因の一つとして「家庭環境」が大きく影響している場合がある。特に親子関係は、子どもに多大な影響を与える。
例として、「家庭が安心して身体と心を休める場所ではなく居場所がない」「親の顔色を伺いながら、親の求める子どもを演じて過ごす」「反抗すると親に見捨てられるのではないかと不安を抱えている」「自分の気持ちを表に出してはいけないと感情を押し殺している」など当てはまることはありますか?
これらは、子どもの意思を無視した親子関係だと言える。かくいうわたしも、引きこもりの時期は親に対してこのような感情を抱いていたことを覚えている。
親子関係は、産まれてから一緒に生活する時間が長い分あらゆる問題が生じ、最初は小さな問題でも、切っても切れない身近な存在だからこそ、こじれると収拾がつかなくなり大きな問題へと発展していく。
そういった問題を解決する為には、そのこじれた親子関係を解きほぐしていく必要があると考える。
わたしの親も当てはまるが、「○○でなければならない」「○○しないといけない」といった考え方の規範が強いという傾向がある。本人は、無意識に接していると思うが、子どもの立場としてはそれがビシビシと伝わってくるものだ。
それと、わが子が「引きこもり」になってしまうと世間体が気になってしまい、せめて高校くらいは卒業しないと子どもの将来は危ないのではないか?と考える親もいるだろう。
さらに、「親や家族との会話を一切しない」「あらゆる物事に対してあきらめている」「学校や仕事などを休みがちになり、いつしか行かなくなる」「人とコミュニケーションをとろうとしない」「趣味や自分の好きなことばかりに没頭する」ということが挙げられる。
「引きこもり」になると、わたしも経験したが昼夜逆転の生活で体のリズムが崩れやすくなり、自分だけが取り残されてしまうような不安や焦りなどで辛くなることがある。実際中学時代は、こんな生活の繰り返しで「無力感」が半端なかったことを思い出した。
ここで、2017年の福井県の記事を見つけたので挙げておく。
『内閣府は2016年9月、15〜39歳の引きこもり数は推計54万1千人で、5年間で約15万人減ったと公表。これに対し、NPO法人「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」は2017年1月、「内閣府は40歳以上を排除している。40歳以上の引きこもりは16万人存在すると考えられる」という緊急提言を発表した。
同連合会福井県支部の近藤茂樹会長(69)は「40代以上の引きこもりの人は多い。20〜30代を支援する社会的受け皿はあるが、40代以上になるとほとんどなく、社会的に孤立しがち」と危惧する。
引きこもりが長期化した場合、家族以外の人とは会話ができなかったり、会うことすらできなかったりすることもある。家族も精神的に参り、共倒れになる危険性もはらんでいるという。
近藤会長は「家の外、部屋の外に出ることが困難な人がいる。ITを活用して自宅で仕事ができる「テレワーク」などが普及すれば、社会参加の一つのきっかけになるのではないか」と話している。』
三年前の記事であるが、「テレワーク」で在宅勤務するケースについて大変不謹慎かもしれないが、コロナのおかげで本格的に導入されることになるとは何と皮肉な結果になっている。
人は非日常な事態になると、想像もつかない行動を起こすことがある。「引きこもり」の行動もその中の一つだと考える。
わたしは、現在名古屋市内で10代20代の若者相手に趣味の将棋と囲碁で交流しているが、早ければ早いほど「やり直し」は可能だと考える。定期的に訪問していて余計感じる。40代以上も、行政はじめ本気で取り組まないといけないと思う。
愛知県名古屋市で、お子様のお悩みを解決へと導くカウンセリングを行っております。引きこもりや不登校について、いじめなどの問題、それ以外の育児に関してお気軽にご相談をください。
どこに、誰に相談したらいいかわからない悩みを1人で抱えるのは大変です。皆さんと同じ経験をした私だからこそ、伝えられることもあると思います。
まずは一度お話をお聞かせください。
R.S.P代表 下谷 篤史